【3月19日 AFP】ロシアがウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を併合して8年となる18日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はモスクワのルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で開かれた関連行事に出席し、クリミア併合とウクライナ侵攻を正当化した。

 観客席は超愛国主義者数万人で埋め尽くされた。国旗を手にした人やウクライナ侵攻支持のシンボルとされるアルファベットの「Z」をあしらったリボンを身に着けた人が多く見られた。

 ウクライナ侵攻に対する国際制裁を受ける中、ロシア当局は国民の愛国心をあおろうとしており、行事は反欧米的かつ旧ソ連への郷愁に満ちたものとなった。

 スタジアム中央のステージには、プーチン氏がウクライナ侵攻に際し頻繁に言及している「非ナチ化」という言葉にちなみ、「ナチズムのない世界へ」と書かれた横断幕が掲げられた。

 プーチン氏はステージに上がると「ロシア! ロシア! ロシア!」と連呼した。2014年のクリミア併合について「他国の一部に組み込まれた屈辱的な状態から救い出した」と正当化。ロシアがクリミア半島のインフラを大幅に改善したと主張した。

 さらに、今回のウクライナ侵攻の目的について「人々を苦しみやジェノサイド(集団殺害)から救うことだ」と主張し、聖書を引用しながらウクライナで「肩を並べて」戦っている「英雄的な」ロシア兵を称賛した。 

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官もステージに上がり、「われわれは平和を守り、悪と戦う国であり、国民だ」と訴えた。

 政権支持派の国民的歌手も登場。ロシア軍の士気高揚のために、有名な愛国的な歌を歌った。その一人、オレグ・ガズマノフ(Oleg Gazmanov)氏は、カザフスタンとバルト3国は「わが国の一部」という歌詞を含む「Made in USSR」という自身のヒット曲を歌った。

 ロシア国営テレビで中継されていたが、プーチン氏の演説の途中で放送が中断するトラブルがあった。ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は原因について、純粋に技術的なものだと説明している。

 映像はロシア国営テレビで中継されたものの一部。(c)AFP