【3月18日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は17日、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)の男子シングルス準々決勝でラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に敗れた直後、いら立ちを募らせてたたきつけたラケットがボールボーイに当たりそうになったことについて反論した。

 キリオスは試合後の会見でこのときの失態に関して聞かれると、コメントするに値しないと回答。また、先日アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)がメキシコの大会で激高し、審判台をラケットで何度もたたきつけて計4万ドル(約460万円)の罰金を科された問題とは比較にならないとも主張した。

「そもそも、自分は彼(ボールボーイ)のどこか近くにラケットを投げつけたか?」と切り出したキリオスは、「自分の足元にたたきつけたラケットが、そのまま飛んでいって彼に当たりそうになったんだ」と弁明した。

「自分は人間だ。こういうことは起きる。事故だった。断じてズベレフのような振る舞いではなかった。完全なアクシデントだ。有り難いことに、彼には当たらなかった。そんなつもりはなかった」

「だから、彼が大丈夫であることに感謝している」

 このときナダルは試合を終えてキリオスと握手を交わした後で、同選手がラケットを投げつけたところは目撃しておらず、「この試合でニックは終始、素晴らしい闘志を示していたと思うし、彼には独特の人柄と個性がある」とコメント。

 さらに「気に入らないことをするときもあるが、自分はそれを尊重する。なぜなら個性や考え方はそれぞれであり、受けてきた教育も違うからだ」と語った。

 キリオスは第1セットをあと2ポイントで制するところまでいったほか、第3セット序盤には2度のブレークチャンスをつかんだが敗退。試合中には自分自身や主審のほか、コートサイド席に座っていた米俳優のベン・スティラー(Ben Stiller)さんに不満をぶつける場面があった。

 今大会の3回戦で第8シードのキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)を撃破した後、4回戦は不戦勝となり、1セットも落とさずにベスト8入りを果たしていたキリオスは、「きついな。この前にやった試合は話題にならないし、それがずっと自分のキャリアのストーリーだ」と話した。

 さらに「ここまでの3試合も激闘だった」とし、「昨年60勝近くも記録した選手の一人に勝ったのに、誰もこの試合を思い出さない。誰もが記憶しているのは、とにかくキリオスがインディアンウェルズ(Indian Wells)でラファ(ナダル)に負けたことや、ラケットを投げつけた場面だ」と訴えた。

 キリオスは試合後の短気な振る舞いについて大胆にも質問した一人のリポーターに対し、「あんたのような人がスポーツを台無しにするんだ」と批判し、「フェアじゃない。だが同時に、それがこのスポーツに対する自分の性格なんだ」と続けた。(c)AFP/Rebecca BRYAN