【3月17日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は16日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、NATO東方に駐留する部隊を大幅に増強するが、ウクライナには部隊を派遣しない方針を示した。

 加盟国のポーランドは15日、ウクライナに武装した「平和維持部隊」を派遣して人道支援を実施することをNATOに提案していた。

 ストルテンベルグ氏はNATO国防相会議の後の記者会見で、「われわれは平和に向けた取り組みを支持し、ロシアと(同国のウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領に軍の撤退を求めるが、NATOの部隊をウクライナに展開する計画はない」と語った。

 ストルテンベルグ氏は、国防相らは「高機能なものを含む装備品、防空システム、対戦車兵器」の供与など、さまざまな支援の重要性を改めて強調したと明かす一方、「ウクライナには、NATOの航空部隊も地上部隊も配備しない」と述べた。

 NATOはウクライナの紛争への直接介入を拒む一方、加盟国への飛び火を防ぐため、数万人規模の部隊を東に移動させている。

 ストルテンベルグ氏によると、国防相らは現在、NATOの集団防衛戦略と戦争抑止戦略について、より長期的なものへの立て直しを軍司令官に指示している。

 ストルテンベルグ氏は「地上では、NATO東方に駐留する部隊を大幅に増強したり、装備や物資の事前集積を増やして即応性を向上させたりするなどの新態勢を取るべきだ」「空では、加盟国の航空戦力や統合ミサイル防空システムを増強すべきだ。海では、空母打撃群と潜水艦、多数の戦闘用艦艇を常時展開すべきだ」との見解を示した。(c)AFP