【3月19日 AFP】ウクライナ人のボグダナ・ディデンコネボドニク(Bogdana Didenko Nevodnik)さん(22)は、世界中の有名ブランドのモデルを務めてきた。イタリアのミラノ・ファッションウィーク(Milan Fashion Week)に参加していたさなかにロシアのウクライナ侵攻が始まり、ミラノにとどまって祖国に送る救援物資の仕分けを手伝っている。

「たくさんの人が死んでいる時にファッションショーに出ているなんて、ばかげていて非現実的に感じました。自分を恥ずかしく思い、観客は(ウクライナのことなど)どうでもいいと思っているような気がしました」

 故郷の河港都市カーミヤンシケ(Kamianske)で夜間に空襲警報が鳴るたびに、スマートフォンのアプリの警告音で目を覚まし、遠い場所から、この紛争をリアルに体験している。

 最初はとっさに始発の列車かバスで帰国しようと考えたが、ウクライナにいる夫と親に説得されて思いとどまった。

 今は、ミラノにあるウクライナ領事館で約20人のボランティアと一緒に救援物資の仕分け作業を行っている。

「ウクライナのためなら命を懸けます」とディデンコネボドニクさんは言う。「必要なら、軍隊にも入ります」と話し、「ただ普通の生活を送りたい。家に帰って家族に会いたいです」と語った。

 同じくウクライナ人モデルのバルヤ・フェドトバ(Valya Fedotova)さん(20)もボランティアに加わっている。

 首都キエフから約100キロに位置する故郷のマリン(Malyn)をロシア軍が爆撃した夜のことを振り返った。

「眠れませんでした。今でもショックです」

 フェドトバさんがファッションウィークに参加したのは、今回のミラノが初めてだ。ステージに立っている最中に泣きそうになったと明かした。

「でもキャットウォークで泣くわけにはいきません。モデルとしてお金をもらい、それでウクライナの家族に送金できるのですから」

 ウクライナ西部テルノピリ(Ternopil)出身の元モデルで、現在はミラノで働いているイワン・ソコロフスキー(Ivan Sokolovskyy)さん(28)は、ロシアによる侵攻が始まると、職場で休暇を要請した。援助物資をトラックに積む作業を手伝うか、通訳として役に立ちたいと思ったからだ。

「一人で家にいてニュースなんか見ていられませんでした。自国の人たちの力になりたかったのです」と話した。(c)AFP/Brigitte HAGEMANN