【4月28日 AFPBB News】日本の小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって2014年12月に打ち上げられた。2018年6月から2019年11月にかけて、小惑星「リュウグウ(Ryugu)」を探査。目標は、リュウグウでのサンプル(試料)の採取と地球への持ち帰り(サンプルリターン)だ。

 はやぶさ2は、2003年にサンプルリターン探査技術の実証ミッションとして打ち上げられた「はやぶさ(Hayabusa)」の後継機。はやぶさは2005年、世界初となる小惑星への着陸とサンプル採取を果たし、2010年には世界で初めてサンプルリターンに成功した。

■はやぶさ2の足跡

 はやぶさ2は2018年6月、地球から約3億キロ離れたリュウグウに到着。その後、小型探査ロボットの小惑星表面への着陸に世界で初めて成功した。

 2019年2月22日、リュウグウへの1回目のタッチダウン(接地)。表面に弾丸を撃ち込み、岩石や砂などのサンプル採取に成功した。

 2019年4月5日、衝突装置を分離し、装置内で爆薬を爆発させて衝突体を発射。小惑星に人工的にクレーターを作り、地下物質を露出させた。

 2019年7月11日、2回目のタッチダウン。人工クレーター周辺のサンプル採取に成功。

 2019年11月13日、リュウグウを出発。

 2020年12月、地球に接近。12月6日、カプセル帰還。前日に分離されたサンプル入りのカプセルは、オーストラリア南部の砂漠に着地、無事回収された。

 はやぶさ2はサンプルを地球に届けた後、拡張ミッションに移行し、より小型の小惑星「1998 KY26」に向かっている。2031年に到着する見通しだ。

■太陽系や生命の起源に迫る

 小惑星「ベンヌ(Bennu)」を探査した米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」のミッションも、はやぶさ2と同じくサンプルリターンだ。

 2020年10月20日、オシリス・レックスはベンヌに着地し、サンプル採取に成功。

 2021年5月11日、ベンヌを離れた。2023年9月にサンプルを地球に持ち帰る見込み。

 はやぶさ2もオシリス・レックスも、探査の対象は炭素質を多く含む「C型小惑星」だ。こうした天体は、初期の太陽系の構成要素と考えられている。

 探査機によって地球に届けられた小惑星のサンプルを分析することで、太陽系の起源や進化、その後の生命の出現に関する科学的理解が深まる可能性がある。(c)AFPBB News