【3月16日 AFP】シリアで15日、内戦のきっかけとなった反政府デモが始まってから11年を迎え、反体制派が拠点とする北西部イドリブ(Idlib)で大規模集会が開かれた。ロシアによるウクライナ侵攻に対し国際的な非難の声が高まる中、シリア政府を支援するロシアに抗議し、ウクライナへの連帯を示す参加者もいた。

 イドリブ市の中央広場で開かれた集会には5000人以上が参加。同市で行われた集会としてはここ数か月で最大規模となった。

 シリア政府の主要支援国であるロシアがウクライナを侵攻したことをきっかけに、シリアの現状に再び関心が集まることを期待する参加者も多い。

 ラドワン・アトラシュ(Radwan Atrash)さんはAFPに、「ウクライナで起きていることは、ここで起きたことと似ている。敵も、目的も同じだ」と語った。

 ウクライナ国旗のほか、ウクライナ人への連帯を示し、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領への制裁を求めるポスターや横断幕を掲げる人もいた。

 シリアでは2011年3月15日に始まった反政府デモが全国に広がり、内戦に発展した。

 プーチン氏が軍事介入を決めたことで、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領はなんとか政権を維持できたとみられている。

 内戦でこれまでに50万人が死亡した。その多くはシリアやロシア、イランなどの軍のほか、武装勢力の攻撃により亡くなった。

 英国、フランス、ドイツ、イタリア、米国は共同声明を発表し、「(シリア内戦が)11年を迎えた今年、ロシアはウクライナに侵略した。両紛争でロシアの非道かつ破壊的な行動が浮き彫りになった」と非難した。(c)AFP/Omar Haj Kadour