【3月16日 AFP】英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は15日、ロシア産エネルギーへの依存をやめるよう西側諸国に呼び掛けた。

 ジョンソン氏は英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)への寄稿で、西側諸国の首脳は、ロシアが2014年にクリミア(Crimea)半島を併合した時にウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を処罰せず、ロシア産エネルギーへの依存を強めるという「ひどい過ち」を犯したと主張した。

 さらに「彼(プーチン氏)は世界が自身を罰するのが非常に困難であると理解してウクライナでのひどい戦争に踏み切った」「世界はこのような恐喝を受け続けるわけにはいかない」と続けた。

 ジョンソン氏は「西側諸国がプーチン氏に経済的に依存している限り、プーチン氏はあらゆる手を使ってそこに付け込んでくるだろう」「世界がロシア産原油・ガスへの依存をやめられれば、プーチン氏を資金難に追い込んで戦略を破綻させ、身の程を思い知らせることができる」と主張した。

 米国はすでにロシア産原油の輸入を禁止すると発表。ジョンソン氏によると、英国も後に続く方針で、欧州連合(EU)も「至急」同様の措置を取ることで合意しているとされる。

 ジョンソン氏はロシア産エネルギーへの依存からの脱却が「痛みを伴う」ものになると認める一方、洋上風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーや、小型モジュール炉(SMR)など原子力分野への投資が必要だと主張した。

 ジョンソン氏は16日、ロシア産エネルギーからの脱却の一環として、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国を訪問し、それぞれの皇太子と会談する予定。(c)AFP