【3月16日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は15日、カナダ議会でオンライン演説し、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう改めて要請した。また、ロシア軍の攻撃でこれまでに子ども97人が死亡したことを明らかにした。

「私たちは多くを求めていない。求めているのは正義だ。われわれの勝利と自衛、人命救助につながる真の支援をお願いしたい」とゼレンスキー氏が話すと、スタンディングオベーションが起きた。

 同氏は「空爆を阻止するため」、飛行禁止区域を設定するよう改めて要請した。これに対し、カナダを含む北大西洋条約機構(NATO)加盟国は戦禍の拡大につながりかねないとして受け入れを拒否している。

 ゼレンスキー氏は「友人たちに電話をして空を閉鎖してほしい、空爆を阻止してほしいと懇願しても、深く懸念しているとしか言ってもらえない状況を想像できるだろうか」と語った。その上で「それ(飛行禁止空域設定)が実現するまでに巡航ミサイルがあと何発ウクライナの都市に落ちればいいのか」と問い掛けた。

 ロシアの空爆を受けたウクライナの名所を列挙した上で、ロシアがバンクーバーを包囲したり、首都オタワの空港を空爆したり、トロントのCNタワー(CN Tower)を攻撃したりしたらどう思うかと、カナダ人の心情に訴えた。

 ゼレンスキー氏はカナダが対ロ制裁に加わり、ウクライナに軍装備品を供与し、人道支援をしていることについて謝意を示した。その一方で「残念ながらこれだけでは戦争を終わらせられなかった」とし、「ロシアを阻止し、ウクライナを守るにはさらなる行動が必要だ」と強調した。(c)AFP/Michel COMTE