【3月15日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は14日、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)の女子シングルスで大坂なおみ(Naomi Osaka)がやじを飛ばされ涙を流したことに同情しながらも、選手は敵対的なファンへの対処法を身につけておく必要があると強調した。

 大坂は12日の2回戦で観客からやじを浴びせられ涙を流す場面があった。試合もベロニカ・クデルメトワ(Veronika Kudermetova)にストレートで敗退。昨年うつ状態に悩んでいることを明かし、メンタルヘルスの問題に光を当てた大坂にとっては、またしても落ち着かない出来事となった。

 この日4回戦進出を決めたナダルは試合後、大坂のことを気の毒に思うと話しつつ、選手は会場の敵対的な雰囲気にも対応できるようにしておくべきだとの考えを示した。

 四大大会(グランドスラム)通算21勝を誇るナダルは、「起きたことは本当にひどいと感じている。二度とあってはならない」としながらも、「現実の世界においては」観客から暴言を浴びることはあるとコメント。

「たとえ聞くに堪えないひどいことであっても、われわれはそれを覚悟しておく必要がある」と話し、「われわれは人前に出るとき、こういった起こり得る問題に耐える必要がある。そういうことじゃないかな」と続けた。

「なおみが恐らく、こうしたことや自身が抱えているメンタル(ヘルス)の問題に何度も苦しんでいるのは理解できる。彼女がそこから立ち直ることを願っているし、幸運を祈るばかりだ」

「だけど、この人生に完璧なことなど何もない。そうだろう? われわれは逆境に備えておかなければならない」

 大坂については、英国のアンディ・マレー(Andy Murray)もナダルと同じような発言をしている。

 13日の2回戦で敗れたマレーは「間違いなくなおみに同情しているし、かなり動揺したことだろう」としつつ、「スポーツにはそれがつきものだとも考えている。だから、どうにかしてそれを覚悟して耐えられるようにしておくことだ。あらゆるスポーツでよく起こることだからね」と話した。(c)AFP