【3月16日 People’s Daily】中国の人工知能(AI)開発企業「天壤智能科技」は、タンパク質の折りたたみ構造をディープラーニング(深層学習)で予測する技術を開発。国際的なタンパク質構造予測コンペでは、400個のアミノ酸が結合したタンパク質の立体構造をわずか16秒で予測し、世界トップレベルの成績を挙げた。

 タンパク質は細胞内の主要成分であり、酵素としての触媒的役割や代謝調節、免疫、細胞分化、アポトーシス(細胞の自然死)などに関与している。生命を構成する基本要素であるタンパク質の構造を解読することは、さまざまな生命現象を解明する重要な鍵となる。

 天壤智能科技の創業者、薛貴栄(Xue Guirong)博士は「タンパク質は特定の立体構造に折りたたまれることで特定の機能を果たす。多くの疾病はこの立体構造が破壊されることで引き起こされる。したがって、タンパク質の構造を分析し、その機能と役割を解明できれば、バイオテクノロジーや新薬開発、生命科学、合成生物学の進歩につながる」と説明する。 

 タンパク質の構造を予測するには、これまで核磁気共鳴法、エックス線解析、低温電子顕微鏡の3種類が用いられてきたが、高額な設備が必要な上、タンパク質の結合分析に数年間を要することもある。また、タンパク質の構造をコンピューターで計算する場合、その計算量は膨大でスーパーコンピューターでも対応が難しい。そのため、アミノ酸が結合したタンパク質の立体構造を予測するAIアルゴリズム(計算方法)の研究が進んでいる。

 薛博士は「AIは今や囲碁の世界チャンピオンに勝ち、めまぐるしく変化する都市交通の調整を図るなど、複雑なシステムの問題を解決する能力を発揮している。タンパク質の構造予測にも大きな役割を果たすだろう」と強調。いまだ謎に包まれているタンパク質の構造を解明することで、人類が疾病を克服することに貢献できると期待している。(c)People’s Daily/AFPBB News