域内包括的経済連携(RCEP)協定が正式に発効
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【3月15日 People’s Daily】2022年1月1日、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナムのASEANの6か国と、中国、日本、ニュージーランド、オーストラリアの計10か国を対象に、域内包括的経済連携(RCEP)協定が正式に発効した。韓国も承認手続きを完了し、2月1日に発効する予定だが、他の加盟国も承認手続きを進めている。世界最大の自由貿易圏(FTA)が正式に始動した。
1月1日当日、常州(Changzhou)、南通(Nantong)、蘇州(Suzhou)工業園区など南京税関傘下の16の税関は、RCEPの原産地証明書を計36枚発行し、その総額は548万3500米ドル(約6億4300万円)だった。RCEPの発効初日、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)と地方機関は全国69社の企業に158枚のRCEP原産地証明書を発行し、その輸出額は1200万米ドル(約14億700万円)で、18万米ドル(約2100万円)の企業関税削減が期待される。現在、RCEPにおけるシンガポール、タイ、日本、ニュージーランド、オーストラリア向け輸出の原産地証明書が全面的にオンラインで発行され、CCPITは「予約」、「郵送での手続き」、「クイック手続き」などの便利な発行サービスを導入し、貨物の迅速な通関と関税削減の恩恵を享受できるようになった。
「本日より、RCEP協定の全ての承諾と義務を、中国は全面的に履行していく」。1月1日に、商務部国際司の楊正偉(Yang Zhengwei)副司長の紹介によると、中国とASEAN、オーストラリア、ニュージーランドの相互の即時ゼロ関税率は65%以上、韓国とは39%と50%、中国と日本は新たに確立した自由貿易パートナーシップだが、それぞれ25%と57%に達している。これに基づき、RCEP加盟国は約10年間で90%の製品へのゼロ関税の適用をほぼ達成するという。
「RCEPは、東アジアの地域経済一体化のレベルを大幅に向上させるだろう」と、対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)中国WTO研究院の屠新泉(Tu Xinquan)院長は述べた。
RCEPの下では、加盟国の企業が生産に使用する他の加盟国からの原産材料は、いずれも原産材料が原産価値構成比を累積的に増加すると見なすことができ、加盟国間の輸出製品が恩恵を受ける閾値に達しやすいようにする。「これは、生産者が地域内に生産資源を配分することを促し、地域内の国々の資源賦存量や比較優位性を発揮し、地域内の産業チェーンやサプライチェーンがより緊密で強靱(きょうじん)になり、広い発展余地を形成するのに役立つだろう」。CCPIT商事認証センターの閆蕓(Yan Yun)主任は、関連企業は中国の全産業チェーンの優位性を十分に発揮し、地域一体化大市場を活用し、イノベーションを通じて発展をリードするべきだと述べた。
規模が大きくなっただけでなく、開放レベルも高くなっている。屠院長の紹介によると、サービス貿易の分野において、各国はRCEPの下で、他の多国間・二国間協定よりも著しく高い開放度を有しており、発効後6年以内に完全なネガティブリストに移行していく。投資の分野では、各加盟国はサービス以外の投資についてネガティブリスト方式を採用し、投資保護の水準を強化しつつ、リスト以外の新たな規制を設けず、質の高いコミットメントを行うようにしたという。
商務部国際貿易経済協力研究院が発表した「RCEPの地域経済への影響評価報告書」のシミュレーション結果によると、2035年までにRCEPは地域の輸出と輸入の累積増分規模をそれぞれ8571億ドル(約100兆円5200億円)、9837億ドル(約115兆3700億円)に押し上げ、当地域と世界の経済成長の力強い原動力となるという。(c)People’s Daily/AFPBB News