【3月12日 AFP】英国の退役軍人7人がロシア軍との戦闘に参加するため、ウクライナに到着した。英政府は、こうした目的で渡航しないよう呼び掛けているが、7人の中には保守党議員の息子も含まれている。

 英国のリズ・トラス(Liz Truss)外相は先月27日、英国人のウクライナ外国人部隊への参加を認めるかのような発言をしたが、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相やベン・ウォレス(Ben Wallace)国防相、軍司令官はトラス氏の発言内容を否定した。

 トラス氏は9日、発言を撤回し、先日の発言は、ウクライナの大義に対する支持を表明したものだったと釈明。英外務省はウクライナへの渡航中止を勧告しており、英国人がウクライナを支援するなら、外国人部隊に参加するよりも支援活動のために寄付すべきだとの見解を示した。

 だが今週末、英海兵隊の特別奇襲部隊に5年間在籍していたベン・グラント(Ben Grant)さん(30)ら7人の退役軍人がウクライナ入りしたと英紙ガーディアン(Guardian)は報じている。

 ベンさんは3児の父。民間警備会社に入ってイラクで働いていた。母親は保守党のヘレン・グラント(Helen Grant)議員で、閣僚経験があり、ジョンソン政権では女子教育特使を務めている。

 ベンさんは母親に事前に知らせることなくウクライナに向かった。

 キエフ行きの列車に乗る前にウクライナ西部リビウ(Lviv)の駅でガーディアンに語ったところによると、ウクライナで住宅が爆撃され、子どもが泣き叫んでいる映像をテレビで見て渡航を決意したという。

「あと100人ほど来る予定なので、全員集まれば、良い部隊になるはずだ。経歴はさまざまで、飛び抜けたスペシャリストもいる」とベンさんは話す。

 ロシアは、ウクライナで捕虜にした「外国人の傭兵(ようへい)」を戦争捕虜として扱わないと警告しているが、ベンさんの決意は揺らがなかったという。

「捕虜になる前に自ら命を絶つことができるならば、おそらくそうするだろう」とベンさん。「心の準備はできているが、そうならないことを祈ろう」と続けている。(c)AFP