テニス界のロシア対応、ウクライナの選手が非難
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【3月12日 AFP】テニス、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)の女子シングルスに出場しているウクライナのマルタ・コスチューク(Marta Kostyuk)が、母国を侵攻したロシアに対するテニス界の対応を非難し、反戦を叫ぶだけは不十分だと訴えた。
テニスでは男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が10月にロシア・モスクワで予定されていた大会を中止し、国際テニス連盟(ITF)はロシアとベラルーシの選手に関して、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup)とビリー・ジーン・キング・カップ(Billie Jean King Cup)の出場を禁止した。
だが、両国の選手は国を代表しての出場は禁じられているものの、依然として男女プロツアーと四大大会(グランドスラム)への参戦を認められている。
こうした措置について、コスチュークは「賛成できない」とコメント。サッカーなどではロシアの代表チームとクラブの国際大会出場を禁止する厳しい措置が取られていることを暗に指し、「他の競技や主要スポーツで行われた対応を見てほしい。それだけ」と話した。
また、男子世界1位のダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)のように、戦争に反対しながらも今回の侵攻に関して具体的に非難していない選手についても不満をあらわにし、「この状況において中立でいてはならない」と訴えた。
「ああいった『戦争反対』というメッセージにも私は傷ついている。それには中身がないから」
「(ロシアの)選手たちを会場で見かけるのも本当につらい。(中略)これは自分としては受け入れられない」
コスチュークは10日に行われた1回戦で、ウクライナ生まれのベルギー選手マリーナ・ザネフスカ(Maryna Zanevska)と対戦し、二つのマッチポイントをしのいで6-7 (5-7)、7-6(8-6)、7-5の逆転勝利を収めた。
しかし、ウクライナで危機が続いていることからコートに立たないことも考えたと明かし、「誰もが自分たちのやり方で闘っている。私の仕事はテニスをすること。これが現状で自分が役に立てる最大の方法」と語った。(c)AFP