【3月11日 AFP】欧州連合(EU)は10日、仏パリ郊外のベルサイユ(Versailles)宮殿で首脳会議を開き、ロシアのウクライナ侵攻への緊急対応策を協議した。EUではウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領への支持が広がっているが、ウクライナのEUへの早期加盟は困難との声が相次いだ。

 オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は会場に到着すると「(EU加盟に)近道のようなものはない」と指摘。「ゼレンスキー氏のために今夜か明日にでもできることに集中したい。ウクライナのEU加盟は、たとえ実現するとしても長い時間がかかる」と述べた。

 ルクセンブルクのグザビエ・ベッテル(Xavier Bettel)首相も、ウクライナに「何でも一朝一夕にできる」との印象を与えるべきではないとくぎを刺した。

 一方、ウクライナから150万人が逃れてきているポーランドをはじめとする旧東側諸国は、ウクライナの加盟に向けてより前向きな姿勢を打ち出すべきとしている。

 スロベニアのヤネズ・ヤンシャ(Janez Jansa)首相は、「命懸けで戦っているウクライナ人に強い政治的メッセージを送るべきと考える人や、ウクライナの加盟手続きについて議論を続けている人もいる」と語った。(c)AFP/Alex Pigman