【3月11日 Xinhua News】米指数算出会社モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)はこのほど発表した最新の「女性役員比率プログレスリポート 」で、中国上場企業の女性役員比率は2020年の13・0%から21年には13・8%まで上昇したと明らかにした。この比率は16年以降年々上昇しており、直近5年の上昇率は5ポイントを超えた。

 リポートによると、統計対象となる中国企業636社のうち、最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)を女性が務める企業の比率はそれぞれ6・4%、26・3%で、いずれもMSCIがまとめた世界平均を上回った。同社が提供する株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」採用企業2887社では、この割合はそれぞれ5・3%、15・8%となっている。

 MSCIは女性役員比率について、ここ数年はやや上昇しているものの、変動幅は年によってにまちまちだと指摘。しかも、新型コロナウイルスの世界的流行がもたらした景気変動は、女性により大きな影響を及ぼしたとの見方を示した。「MSCI ACWI」構成企業の女性役員比率は19年が20・0%と前年から2・1ポイント上昇したのに対し、20年は前年比1・1ポイント低下し、鈍化傾向を示した。一方、21年は22・6%となり、再び前年より1・5ポイント上昇した。

 株価指数「MSCIエマージング・マーケット指数」構成銘柄のうち、役員がすべて男性という企業の割合は21年に26・4%となり、20年の30・0%を下回った。先進国では欧州諸国の女性役員比率が最も高く、30・0%を超える企業が78・7%を占めたほか、役員がすべて男性という企業の割合は0・9%にとどまった。

 MSCIは注目すべきデータとして、17年以降、新興国の上場企業で女性がCFOを務める割合が世界平均を上回り、その差が開きつつあることを挙げた。21年の女性CFOの比率は新興国の上場企業で19・2%、「MSCI ACWI」構成企業では15・8%だった。(c)Xinhua News/AFPBB News