【3月10日 AFP】北京冬季パラリンピックに出場しているウクライナ選手団は10日、中国・張家口(Zhangjiakou)に設けられた選手村で、ロシア侵攻の犠牲者に黙とうをささげた。母国の窮状に涙しながら、拳を突き上げてロシアに抗議するとともに、平和を呼び掛けた。

 競技6日目を迎えた同日、30人余りの選手やスタッフは、出場している46の国・地域の旗の前に集まり、犠牲になった兵士らを追悼し、「皆に平和を」と英語で書いた横断幕を掲げた。

 バイアスロンとクロスカントリースキーで金・銀・銅メダルを獲得したグリゴリー・ボブチンスキー(Grygorii Vovchynskyi)選手(33)は、目に涙を浮かべ震える声で「(ロシア軍は)子どもや女性を爆撃している。信じられない」「今すぐやめさせなければならない」と訴えた。

 ウクライナ選手団はこれまでに、金6個を含む19個のメダルを獲得。国・地域別のメダル数ランキングでは、中国、カナダに次ぐ3位につけている。

 ウクライナ侵攻を受け、ロシアとその同盟国ベラルーシの選手団は、北京パラへの出場が認められなかった。(c)AFP/Lisa MARTIN