【3月11日 Xinhua News】中国重慶市(Chongqing)計画・自然資源局によると、同市雲陽県(Yunyang)でこのほど、新たに恐竜化石が出土した。研究の結果、化石は新属・新種の草食恐竜「バシャノサウルス・プリミティブス」のものであることが判明した。また、層序年代測定の結果、同恐竜が約1億6900万年前に生息していたことも判明した。

 これらの化石は、雲陽恐竜動物群が発掘、形成された沙渓廟層下部の元の化石壁から出土したもので、今回発掘された中には、恐竜の肩甲骨や嘴骨、背椎、尾椎、大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨、剣板、トゲなどの骨格化石が含まれる。

 保存された化石から、同恐竜は体長約3メートル、体高約2メートルで、前頸部から尾にかけて背骨に沿って2列の直立した剣板を持ち、尾の先端部には2対の大きなトゲがあったと推定された。

 今回の研究は重慶市地質調査局208地質遺跡保護研究院と英国自然史博物館の研究者らが共同で完成させた。同研究院の代輝(Dai Hui)シニアエンジニアによると、世界で知られているステゴサウルスの中で「バシャノサウルス・プリミティブス」より「歳上」のステゴサウルスは、モロッコで発掘されたものだけになるという。これにより「バシャノサウルス・プリミティブス」はアジアで最古のステゴサウルスであり、世界最古のステゴサウルスの一種だと判断できる。

 代氏は、中国にはステゴサウルス属の種類が多く、世界の約40%を占めており、その化石は主に四川(Sichuan)や重慶、新疆(Xinjiang)、内モンゴル(Inner Mongolia)、チベット(Tibet)などの省・直轄市・自治区で発見されていると説明。「バシャノサウルス・プリミティブス」の発見が、ステゴサウルスの起源研究に新たな物的証拠を提供するとの見方を示した。

 研究成果は4日、国際科学誌「Journal of Vertebrate Paleontology」に掲載され、国際学術界からも評価を受けた。(c)Xinhua News/AFPBB News