【3月10日 AFP】国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長は10日、北京冬季パラリンピックの開会式で自身が行った反戦スピーチが検閲されたとみられる問題について、約1週間が経過した今も中国国営テレビ側からの説明を待っている状況だと明かした。

 中国中央テレビ(CCTV)はIPCからの質問に返答しておらず、13日に行われる閉会式での再発防止も保証していない。

 パーソンズ会長はAFPに対し、「(返答は)まだない。問い合わせはした。彼らの立場や説明を今も待っている」と語った。

 パーソンズ会長は4日に行われた開会式の舞台を使って戦争を強く非難し、「21世紀は対話と外交の時代であって、戦争と憎悪の時代ではない」と呼びかけた。中国と関係の深いロシアによるウクライナ侵攻に具体的に言及はしなかったものの、現在の世界情勢は「恐ろしい」と述べた。

 ところが、CCTVはパーソンズ会長が戦争を非難した部分を中国語に同時通訳せず、音量を下げているように思われる部分もあった。(c)AFP/Lisa MARTIN