【3月10日 AFP】米国防総省は9日、ポーランド軍の戦闘機を米国を介してウクライナに供与する案について、「リスクが高い」として支持しない立場をポーランド側に伝えた。

 ポーランドは、同国保有の旧ソ連製戦闘機「ミグ29(MiG29)」を独南西部ラムシュタイン(Ramstein)にある米空軍基地を経由してウクライナに移送し、見返りに米国製戦闘機「F16」を受け取る案を提示していた。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官によると、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官は9日、ポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク(Mariusz Blaszczak)国防相と電話会談し、ウクライナ支援への協力を感謝する一方、「現時点ではウクライナ空軍への戦闘機の供与を支持しない。対象となる戦闘機をわが国の管理下に置くことは望ましくない」と伝えた。

 カービー氏は、戦闘機をウクライナ空軍に供与しても、ロシア側との戦力差が大きく変わる公算は小さいとの見方を示した。

 さらに「(戦闘機供与は)事態を深刻化させる動きと誤解され、ロシア側の猛反発に遭い、北大西洋条約機構(NATO)との間での軍事的緊張の高まりにもつながりかねない」と、情報機関が警告していると説明した。

 実際、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は9日、「極めて望ましからざる危険含みのシナリオだ」と反発している。(c)AFP/Michael Mathes