【3月10日 AFP】北京パラリンピックは9日、5日目の競技が行われ、春のような陽気で気温は氷点を大きく上回り、クロスカントリースキーの選手はTシャツ姿でぬかるんだ雪と格闘した。

 クロスカントリースキーはこの日、大半が人工雪でまかなわれた張家口(Zhangjiakou)の会場で決勝6種目が行われ、暖かな天気が選手たちを驚かせた。張家口近くの町では気温17度を記録。コースの気温はそれより約10度低かったが、それでも0度を大きく上回り、人工雪は解け始めた。

 女子スプリント座位に出場したノルウェーのビルギット・スカーシュタイン(Birgit Skarstein)は半袖姿で滑走。「会場は最悪のコンディションだった。スキーが地面に引き込まれるような感覚だった」と振り返り、「板を引き上げると、接着剤でくっついているような感じ」で「とてもぬかるんでいた」と話した。

 一方、男子スプリント・フリー視覚障害で、自身通算15個目となるパラ金メダルを手にした42歳のブライアン・マッキーバー(Brian McKeever、カナダ)は、コンディションは自身に有利に作用したと語った。

「正直、(自身とガイドのラッセル・ケネディ<Russell Kennedy>には)若手選手のような純粋なスピードやパワーがないので、われわれにとってはアドバンテージだったと思う」

 北京では今後数日は季節外れの天候が続くものとみられており、大会主催者は「雨や融雪のリスクが高い」ため、12日のスノーボードを1日前倒しするなどスケジュールを微調整するという。主催者はAFPに対し、強風に加え「気温は前年同時期と比べて高くなると予想されている」と見通しを明かした。(c)AFP/Lisa MARTIN