【3月8日 AFP】ミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国連人権高等弁務官は8日、中国を5月に訪問すると明らかにした。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の先遣隊がバチェレ氏の訪問準備のため、人権侵害が疑われている新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)を来月訪れる予定。

 バチェレ氏は国連人権理事会(UNHRC)の会合で、「先日、訪問について中国政府との合意を発表できることをうれしく思う」と述べた。中国政府は、OHCHRの先遣隊が新疆ウイグル自治区やその他の場所を訪れることにも同意したという。

 人権団体は、少なくとも100万人のイスラム教徒などの少数民族が「再教育施設」に収容されており、女性に対する強制不妊手術や強制労働などの人権侵害が横行していると中国政府を非難している。高等弁務官に対しては長年、新疆ウイグル自治区を訪れるよう求める声が上がっていた。

 米政府と西側諸国の5か国の議会は、新疆ウイグル自治区における中国政府のウイグル人の扱いは「ジェノサイド(集団殺害)」であると批判しているが、中国政府はこの主張を全面的に拒否している。

 中国政府は長年、バチェレ氏の新疆ウイグル自治区訪問を歓迎するとしていたが、同氏が求めていた「有意義かつ自由なアクセス」について合意するのはこれまで困難とみられてきた。(c)AFP