【3月8日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は4日、性交同意年齢を12歳から16歳に引き上げる刑法の一部を改正する法案に署名し、同法が成立した。大統領府が7日、明らかにした。

 性交同意年齢とは、性行為をするかを自ら判断できるとみなされる年齢の下限のこと。カトリック教徒が多数を占めるフィリピンはこれまで、性交同意年齢が世界で最も低い国の一つとされていた。

 約100年ぶりに性交同意年齢が見直されたことで、15歳以下との性行為は同意の有無にかかわらず犯罪となり、40年以下の禁錮刑を科されることになる。ただし、パートナー間の年齢差が3歳未満かつ同意があれば処罰対象とならない。

 貧困にあえぐフィリピンは、オンラインでの児童性的虐待の件数が世界でも特に多い。公式データによると、毎日10~19歳の約500人が出産している。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、政府支援を受けて2015年に実施された全国調査では、13~17歳の5人に1人が性的暴力を受けたことがあると回答。また、25人に1人が子どもの頃にレイプされたと答えた。

 改正法は、「年齢に応じた」子どもの権利に関する授業を教育課程に盛り込むよう教育省に義務付けてもいる。(c)AFP