【3月7日 AFP】オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は7日、ロシアのウクライナ侵攻について「中国にとって選択の時」だと述べ、中国政府は戦争への政治的・経済的な暗黙の支援をやめるべきだと訴えた。

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 モリソン氏は豪シドニーにあるシンクタンク「ローウィ国際政策研究所(Lowy Institute)」のオンライン講演で、「ロシアの暴力的なウクライナ侵略に対し、現時点で中国ほど大きな影響力を持つ国はない」と指摘。「欧州を今襲っている危機は、中国にとって選択の時となる」とし、ロシアの同盟国として行動して世界平和と主権国家の原則に対する責任を果たすよう、中国政府に迫った。

 ロシアがウクライナに侵攻する前、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と習近平(Xi Jinping)国家主席は中国・北京で会談し、中ロの友情に「限界はない」とする共同声明を発表している。

 その後、中国はウクライナ侵攻に対する直接の批判を避け、侵攻を正当化するロシアに共感を示し、西側諸国による対ロ制裁にも加わっていない。

 モリソン氏は、中国がロシア産小麦の輸入制限を緩和したことについて、ロシアに「経済的な命綱」を投げ込んだと非難した。

 また、米クレジットカード大手のビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)がロシアでの業務を停止したのを受け、中国企業が代わりにサービスを提供する可能性に懸念を表明。「ユニオンペイ(UnionPay、中国銀聯)がロシアの決済システムを支援するかもしれないと聞いている」と語った。(c)AFP