【3月12日 AFP】2020年3月に世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を宣言してから、11日で2年が経過した。一部の国ではコロナ関連のさまざまな規制を緩和・解除し、「コロナとの共生」を目指す動きもみられる。

 WHOは世界人口の約70%がワクチンを接種すれば、今年半ばにはパンデミックの「急性期」を脱する可能性があると述べている。

■パンデミックからエンデミックへ?

 スペインをはじめとする国々は、新型コロナを「エンデミック」の段階に移行したと見なすアプローチを提唱している。つまり、インフルエンザのように人類が共生可能な季節性の感染症ととらえる考え方だ。

 だが、英オックスフォード大学(University of Oxford)のウイルス進化学者、アリス・カツラキス(Aris Katzourakis)氏は「『エンデミック』という言葉は、今回のパンデミックでも最も誤用されている言葉の一つだ」と言う。

 同氏は最近、英科学誌ネイチャー(Nature)で「エンデミックであると同時に広範で流行する致死率が高い伝染病もある」と述べ、2020年にはマラリアで60万人以上、結核で約150万人が全世界で死亡していると指摘した。

 英政府の非常時科学諮問委員会(Scientific Advisory Group for Emergencies)は、想定し得る今後数年間のシナリオをいくつか示している。そのうち「妥当な最良のシナリオ」は、地域や季節で流行する規模が縮小し、また新型コロナの感染者数が多いほどインフルエンザの感染者数が少なくなるというものだ。

 一方、最悪のシナリオは、予測できない変異株の出現と流行の波が繰り返され、厳格な規制を復活せざるを得なくなるというものだ。

 こうしたシナリオを左右するのは、変異株の出現とワクチンの長期的な効果という二つの不確定要素だ。