【3月7日 People’s Daily】域内包括的経済連携(RCEP)協定の正式発効が世界の注目を集めている。世界で最も参加人口が多く、メンバー構造が最も多元的で、発展潜在力が最大の自由貿易圏が正式に始動した。多国間主義と自由貿易を共同で擁護し、地域経済の一体化を促進する各当事者の自信と決意を十分に体現している。これにより、地域の産業チェーンとサプライチェーンの融合をさらに推進し、越境貿易と投資を促進し、地域経済と世界経済の回復と発展のための新たな原動力となる。

 百年に1度ともいえる世界の変動と新型コロナのパンデミックが織りなし、ユニラテラリズム、保護主義が台頭し、経済のグローバル化が逆流に直面している。異なる社会制度、文化・風習、発展段階のRCEP加盟国が全面的、現代的、高品質・ウィンウィンの自由貿易協定(FTA)の期日通りの発効を共同で推進している。経済のグローバル化が不可逆的な時代の潮流であること、開放融通が阻むことのできない歴史的趨勢(すうせい)であること、多国間主義を擁護し、開放協力を堅持し、自由貿易を促進し、共同繁栄を実現することは地域の国家と人民の共通の声であり、リスクと挑戦に対応し、互恵・ウィンウィンを推進する正しい選択であることを再び行動で証明した。

 RCEPの正式発効は地域経済の一体化を大々的に促進し、地域の貿易投資の成長をけん引していく。貨物、サービス、投資開放の承諾を重ね、貿易投資の利便化が制度的に保障され、承認された加盟国間の90%以上の貨物貿易が、最終的にゼロ関税が可能となる。アジア太平洋地域の経済産業チェーンとサプライチェーンがより融合し、地域投資がより活発になり、各加盟国は技術、製造業、農業などの分野でさらなる優位性の相互補完が可能となる。推計によると、2025年までに、RCEPは加盟国の輸出、対外投資ストック、国内総生産(GDP)のベースラインよりそれぞれ10.4%、2.6%、1.8%の増加をけん引する見込みだ。これはコロナ禍が地域経済にもたらす負の影響を大きくヘッジし、世界経済の回復への自信を高めることにつながる。

 RCEPの正式発効は中国の対外開放の新たなマイルストーンだ。RCEP加盟国の最大の経済体として、中国は地域協力発展の大勢に順応し、協定の承認作業の完了を率先して宣言した。中国の市場規模は巨大で、地域経済の発展のための広大な市場空間と多元多様な産業システムの支えになり、地域の産業チェーンとサプライチェーンの融合発展と一体化した大市場の建設により一層参画し、地域の繁栄と世界経済の回復を促進するために中国の力で貢献していく。

 中国はハイレベルの開放を揺るぎなく推進し、開放・自信の大国の気概を示し、天下の利を計る大国の責任感を明らかに示している。自由貿易圏の強化戦略を実施し、世界に向けた高水準の自由貿易圏ネットワークを構築することは、中国がよりハイレベル、新たな開放型経済体制、新たな発展構造を構築するための重要な措置だ。RCEPは中国が国内外の双循環を結びつける橋となり、国内と国際の二つの市場、二つの資源がより緊密につながり、国内ルールと国際ルールがより効果的に移行し、開放とイノベーションがより活力を持つようになるだろう。

 われわれが経済のグローバル化の発展の潮流に順応し、開放の中でチャンスを創造し、協力の中で難題を解き、自信を固め、手を携えて前に進む限り、必ず世界経済がコロナ禍の影響から抜け出すよう推進し、共により美しい未来を創造することができるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News