【3月6日 AFP】国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は5日、ロシア軍に包囲されているウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)について「破局的」な状況にあり、住民の退避が急務だと訴えた。

 マリウポリでは同日、住民を退避させるため休戦が発表された。しかし、ウクライナ側によるとロシア軍は攻撃を停止せず、休戦は実現しなかった。マリウポリはアゾフ海(Sea of Azov)に面しており、ロシア軍にとって重要な制圧目標となっている。人口は約45万人。

 ウクライナでMSFの緊急調整官を務めるロラン・リゴザ(Laurent Ligozat)氏はAFPに対し「休戦は守られず、きょう設置されるはずだった『人道回廊』は実現していない。一刻も早く回廊を開設し、女性や子どもら民間人を退避させることが急務だ」と強調。「状況は破局的で、日に日に悪化している」と語った。

 リゴザ氏は「きょう、水が止まった。住人が飲料水を入手することが困難になった」「電気や暖房もなく、食料も底を突き始めている。店の商品棚は空だ」と説明。「ここ数日間、入ってくるものも出ていくものも一切途絶えた」と話した。(c)AFP