【3月5日 AFP】スウェーデンで4日に公表された世論調査で、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を支持する割合が初めて過半数となった。

 スウェーデンの調査機関デモスコープ研究所(Demoskop Institute)が実施し、日刊紙アフトンブラデット(Aftonbladet)が報じた世論調査によると、ロシアのウクライナ侵攻を受け、この1か月でNATO加盟を支持する割合は9ポイント増え、過去最高の51%となった。

 反対は10ポイント減の27%で、「分からない」と答えた割合は22%とほぼ横ばいだった。

 ペーテル・フルトクビスト(Peter Hultqvist)国防相は記者団に対し、国防政策の転換は「非常に大きな決断」だとして、「一朝一夕にやることではなく、世論調査に基づいて実現することでもない」と説明。政府は軍にかなりの予算をつぎ込み、他国との協力関係を深めていると述べた。

 フィンランドの世論調査でも今週、NATO加盟に賛成する割合が初めて過半数となった。

 スウェーデンとフィンランドはNATO非加盟で、東西冷戦(Cold War)終結時には中立の立場を取っていたが、1990年代半ばからNATOとの連携を深めてきた。

 スウェーデンではNATO加盟反対が圧倒的多数を占めていたが、2014年にロシアがクリミア(Crimea)半島を併合したことで潮目が変わった。

 専門家は、NATO加盟について、フィンランドはスウェーデンと歩調を合わせるとみている。

 一方のロシアは、NATOの東方拡大は同国の安全保障に脅威をもたらすと主張してきた。ロシア外務省は先週、北欧諸国がNATOに加盟すれば「軍事的・政治的に重大な影響を及ぼす」ことになると警告した。(c)AFP