【3月5日 AFP】サッカー元ブラジル代表の名選手ロベルト・カルロス(Roberto Carlos)氏が4日、意外な形で「復帰」を果たした――。母国のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)ではなく、英国の吹きさらしのぬかるんだピッチで、アマチュアクラブの試合に登場した。

 現在48歳のカルロス氏は、イングランド西部シュルーズベリー(Shrewsbury)近郊のハンウッド(Hanwood)という村に拠点を置くパブチーム、ブル・イン・ザ・バーン・ユナイテッド(Bull in the Barne United)の一員としてプレーした。

 今年1月、同クラブがオークションサイト「イーベイ(eBay)」で行われたチャリティー抽選で当選したことがきっかけで、抽選の収益金は、恵まれない若者たちを支援する基金に寄付される。

 現役時代にスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)などでプレーしたカルロス氏は前半に途中出場。中盤で何度か見事なタッチを見せて一度ベンチへ下がったが、終盤には再びピッチに戻ってPKも決めた。

 チームは3-4で敗れたが、カルロス氏は再びプレーできてうれしいとコメント。英PA通信(Press Association)に対し、「サッカーは素晴らしい。サッカー界屈指のビッグネームとプレーしていた身とはいえ、ここでのプレーはとても楽しい」と語った。「いつだってゴールは良いものだ」

 2002年W杯日韓大会(World Cup)の優勝メンバーで、代表通算125キャップを記録したカルロス氏。「世界屈指のビッグクラブや最高の選手とプレーしてきたが、13歳とか14歳のときに自分が始めたのもブラジルの『ここ』だったということは、多くの人が気づかない。こうしたピッチでプレーしていると、過去の素晴らしい思い出がよみがえる」と話した。

 抽選に申し込んだバーン・ユナイテッドの監督兼GKは「私たちのサッカー人生で最高の瞬間であり、人生最高の一日と言っても過言ではない」と喜んだ。別の選手も「彼がここにいるのを見て、まだ信じられない気分だ。まるで伝説の生き物のようだ」と話していた。(c)AFP