【3月3日 AFP】中国は3日、同国がロシアに対し、ウクライナへの侵攻を北京冬季五輪後に延期するよう要請していたとする米紙の報道を否定した。緊密度を増す中ロ関係に、国際社会は警戒を強めている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は2日、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権の高官および欧州の政府関係者の話として、中国政府の関係者がロシア側の高官に対し、北京五輪の閉幕までウクライナに侵攻しないよう事前に要請していたと報じた。

 同紙によると、北京大会の閉会式から4日後に始まったウクライナ侵攻をめぐり、中国は事前にその計画または方針をある程度把握していたという。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は3日、この報道を一蹴。「完全なフェイクニュースだ。注意や非難をそらそうとするこの種の言論は卑劣極まりない」と批判した。

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、中国は態度を保留している。習近平(Xi Jinping)国家主席は先月、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、協力関係に「制限を設けない」ことで合意。以後中国は、ウクライナ侵攻を公然と非難するのは避ける一方で、全面的な支持の表明にも至っていない。(c)AFP