【3月3日 AFP】ウクライナへの侵攻を続けるロシアの国内では、サッカーやハンドボール、バスケットボール界で外国人の選手や監督が相次いで退団している。

 最も目を引くのがサッカー界で、今年1月に1部リーグのFCクラスノダール(FC Krasnodar)の監督に就任したダニエル・ファルケ(Daniel Farke)氏は、1試合も指揮することなくチームを離れた。

 過去にイングランド・プレミアリーグのノリッジ・シティ(Norwich City)も率いた経験を持つファルケ氏は、「(コーチ陣を含む)自分たちの契約を解除するよう」チームに頼んだと、母国ドイツのメディアで明かした。

 ロシアの地元メディアによれば、クラスノダールではポーランド代表MFのグジェゴシュ・クリホビアク(Grzegorz Krychowiak)も退団を申し出ているという。

 ファルケ氏と同じドイツ人のマルクス・ギズドル(Markus Gisdol)氏は、ロコモティフ・モスクワ(Lokomotiv Moscow)の監督を辞任。ギズドル氏は独紙ビルト(Bild)で「指導者に戦争責任がある国で職務を全うすること」はできないと語った。

 また、元ウクライナ代表FWのアンドリー・ボロニン(Andriy Voronin)氏も、1部で2位につけるディナモ・モスクワ(Dynamo Moscow)のアシスタントコーチから退いた。

 ボロニン氏は南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)に対し、「母国と戦争状態にある国には住めない」と話している。

 元ウクライナ代表DFのヤロスラフ・ラキツキー(Yaroslav Rakitskiy)も、FCゼニト(FC Zenit)との契約を解消した。

 ハンドボールとバスケットボールでは、欧州の統括団体がロシアとベラルーシのチームを連盟主催の大会から追放することを決定し、選手らの退団につながっている。

 ハンドボールのチャンピオンズリーグ(2021–22 EHF Champions League)に出場するベラルーシのメシュコフ・ブレスト(Meshkov Brest)では、ポーランド人とスロベニア人、フランス人の選手に加え、スペイン人とポルトガル人のコーチもチームを離れた。

 クラブによれば、「状況が安定すれば」全員復帰するかもしれないという。

 バスケットボールのユーロリーグ(2021-22 Euroleague)に参戦するゼニト・サンクトペテルブルク(Zenit St. Petersburg)とCSKAモスクワ(CSKA Moscow)も外国籍選手の退団を発表した。CSKAモスクワは「現在の状況に関連した家庭または個人的な理由」と説明している。(c)AFP