【3月2日 AFP】ロシア出身の元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバー、ダニール・クビアト(Daniil Kvyat)が1日、スポーツと政治は切り離すべきだと話し、母国のウクライナ侵攻後にロシアの選手が大会出場を禁止されたのは「不公平」だと訴えた。

 F1では2月25日、9月末に予定されていたロシアGP(Russian Grand Prix 2022)が中止になり、国際自動車連盟(FIA)もロシア人ドライバーが中立の立場での出場となること、ロシア国歌を流さないことを決めた。

 これについて、クビアトは自身のSNSアカウントで「国際オリンピック委員会(IOC)を含めた世界のスポーツ団体は、政治の外側にとどまるべきだ」と話し、「ロシア選手の国際大会出場を認めないのは、不公平な解決策だ」と嘆いた。

「これからの時代に各国を団結させられるのは、われわれスポーツ界の人間をおいて他にない」

 レッドブル(Red Bull)やトロロッソ(Toro Rosso)でF1マシンを駆ったクビアトは、「ウクライナ情勢の平和的な解決」を願っていると話している。

「すべての当事者が同じ席に着き、平和的な対話を通じて解決策を見つけ出してほしい。二つの兄弟国の衝突を見るのは恐ろしい。軍事行動や戦争を通じて人類の未来へ影響を及ぼすことは望まないし、自分の娘やすべての子どもたちには、美しい世界を楽しんでほしい」

 現在27歳のクビアトは、ロシア出身のF1選手としては最も成功した人物で、これまでに通算で202ポイントを獲得し、表彰台入りも3回果たしているが、2020年を最後にレース出場からは遠ざかっている。(c)AFP