【3月2日 AFP】英政府は1日、ウクライナに侵攻したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と軍司令部が戦争犯罪で訴追される可能性があると警告し、現地での被害をユーゴスラビア紛争(Yugoslav War)の惨状に例えて非難した。

 ウクライナ侵攻6日目となったこの日、ロシア軍は攻勢を強化。ウクライナ第2の都市ハリコフ(Kharkiv)だけで、少なくとも18人の民間人がミサイル攻撃や砲撃で死亡した。

 エストニアにある北大西洋条約機構(NATO)の基地を訪問したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は記者会見で、ハリコフに対する砲撃について、1990年代にボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで起きた民間人虐殺を思い起こさせる「不快極まりない」ものだと糾弾。「民間人が集まる地域に対して意図的に行われた残虐行為のように感じられる」とし、西側諸国による対ロシア制裁の継続を宣言した。

 オランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は先月28日、ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を併合して以降、ウクライナで戦争犯罪と人道に対する罪があった疑いについての「合理的根拠」があるとして、捜査を開始すると発表していた。

 英BBCに出演したドミニク・ラーブ(Dominic Raab)副首相兼司法相は、プーチン氏やロシア軍関係者が「ハーグの裁判所の被告人席に座ることになる極めて現実的なリスクがある」と語った。

 英国は先月28日、ロシアの全銀行が英国内に保有する資産を凍結し、同国の港へのロシア船舶の寄港を禁止。翌1日にはさらに、欧州連合(EU)や米国と共に、ロシア銀行最大手の国営ズベルバンク(Sberbank)に制裁を科した。(c)AFP/Jitendra JOSHI, Charles ONIANS