ウクライナの女子テニス選手、母国脱出時の出来事振り返る
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【3月1日 AFP】女子テニス、ウクライナ出身のダイアナ・ヤストレムスカ(Dayana Yastremska)は2月28日、前週母国を脱出する前の出来事を振り返り、ロシアによる軍事侵攻の「爆撃で目覚めた」と明かした。
21歳のヤストレムスカと15歳の妹イバンナ(Ivanna Yastremska)は、ウクライナから逃れた後、リヨン・オープン(Open 6ème Sens - Métropole de Lyon 2022)女子ダブルスのワイルドカード(主催者推薦)が与えられた。
そしてこの日出場した1回戦では、ヘオルヒナ・ガルシアペレス(Georgina Garcia-Perez、スペイン)/セニア・ノール(Xenia Knoll、スイス)組に2-6、4-6で敗れたが、母国で起きていることからすれば、試合に集中できなかったのは当然のことだった。
3日間眠れなかったというヤストレムスカは、試合後の会見で「妹のことを誇りに思うと同時に、ウクライナでの出来事もあってあまり力を出せなかった」とコメント。イバンナは会見では話さなかったものの、試合後コートを去る際にもしていたように、ウクライナ国旗を肩にかけていた。
ヤストレムスカはロシアがウクライナに侵攻する2日前の2月22日に、今大会シングルスのワイルドカードを獲得。「水曜日(同23日)、私たちはオデッサ(Odessa)の自宅にいた」と明かし、「家族と一緒に過ごして、父と一緒に仏リヨン(Lyon)への長旅に出る予定だった」と語った。
ところが「その夜は楽しかったけれど、翌朝は爆撃で目覚めた」といい、「何が起きているのか実感することや、理解することができなかった。信じられなかった。映画でもビデオゲームでもなく、私たちは本当にショックを受けた」と話した。
「私たちは家を出て、爆発が続いている間ずっと地下駐車場のシェルターにいた」
ヤストレムスカはさらに、現在ウクライナに残っている父親が家族を安全なところへ避難させると決めた後、ルーマニアにたどり着くまでの出来事も振り返り、「4時間かけてルーマニアとの国境のドナウ(Danube)川に到着した」と明かすと、「爆弾やロシアの戦車が怖かった」と語った。
「国境には車の長い列ができていて、私たちは徒歩でたどり着いた。結局母も残ることにしたので、そこで両親にさよならを言った」
「検問を通過した向こう側では、人々が親切にしてくれて、食べ物や飲み物を提供してくれた」
2020年にシングルスの世界ランキングで自己ベストの21位に到達したヤストレムスカは、3月1日にアナ・ボグダン(Ana Bogdan、ルーマニア)とのシングルス1回戦に臨む予定となっている。
「テニスに完全に集中することはできないけれど、祖国とその人々が自分たちの命を守ろうとしていることが最大のモチベーションになっている」 (c)AFP
