■それぞれから向けられる疑いの目

 マリ中部では、国家の象徴と見なされた場所は、イスラム過激派の攻撃対象となっている。

「状況の悪化は知っていました。閉鎖された学校もあると聞きましたが、私たちは子どもたちのことを考えて学校を閉鎖しませんでした」と教師のシディキさん(36)は語る。

 行商をしていたフラニ人のカシムさん(42)は、28日間拘束された時のことを振り返った。拘束されたのは、「フラニ人は皆、イスラム過激派に同調していると思われているからです」と話す。

 いくつかの村は、イスラム過激派と和平協定を結んでいるが、強要されていることもある。

 フラニ人向けのラジオ放送で記者を務めていたバシールさん(42)さんの身の上は、暴力でいかに人の見方が変わるかを物語っている。

 バシールさんは、イスラム過激派から軍に情報提供しているとぬれぎぬを着せられ、その後、ドゴン人からはイスラム過激派とつながっているという疑いを掛けられた。(c)AFP/ Amaury HAUCHARD