【2月28日 Xinhua News】中国の王毅(Wang Yi)国務委員兼外交部長は25日、英国のトラス外相、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表、フランス大統領外交顧問のボヌ氏とそれぞれ電話会談し、ウクライナ情勢を重点に深く意見交換した。王毅氏はウクライナ問題に対する中国の基本的立場について、次の5点を挙げた。

 ①中国は、各国の主権と領土保全が尊重、保障され、国連憲章の趣旨と原則が確実に順守されることを主張する。この立場は一貫しており、また明確である。ウクライナ問題でも同様に適用される。

 ②中国は共同・総合・協力・持続可能な安全保障観を提唱する。一国の安全は他国の安全に与える損害を代価としてはならず、ましてや地域の安全を軍事ブロックの強化や拡大によって保障してはならないと考える。冷戦思考は徹底的に排除されるべきであり、各国の合理的な安全保障上の懸念は尊重されるべきだ。北大西洋条約機構(NATO)の連続5回にわたる東方拡大の下、ロシアの安全保障面の正当な訴えは当然重視され、適切に解決されなければならない。

 ③中国はウクライナ問題の推移をずっと注視してきた。現在の状況はわれわれが見たくないものだ。当面の急務は各国が必要な自制を保ち、ウクライナの事態が引き続き悪化し、制御不能になることを避けることだ。一般市民の命や財産の安全は効果的に保障されなければならず、特に大規模な人道危機を防がなければならない。

 ④中国はウクライナ危機の平和的解決に役立つあらゆる外交努力を支持し、奨励する。中国はロシアとウクライナの早期の直接対話と交渉を歓迎する。ウクライナ問題の推移には複雑な歴史的経緯がある。ウクライナは東西の意思疎通の懸け橋となるべきであり、大国の対立の最前線となるべきではない。中国はまた、欧州とロシアが欧州の安全保障問題について対等に対話を行い、安全保障の不可分性の理念を堅持し、最終的に均衡的かつ効果的で持続可能な欧州安全保障の枠組みを形成することを支持する。

 ⑤中国は、国連安全保障理事会がウクライナ問題の解決のために建設的役割を果たし、地域の平和と安定を重んじ、各国の普遍的な安全を重視しなければならないと考える。安保理が取る行動は、緊張を緩和するものであるべきで、火に油を注ぐものであってはならない。情勢をエスカレートさせるものではなく、外交的解決の促進に役立つものでなければならない。中国はこの点を踏まえ、安保理の決議がともすれば軍事的措置と制裁を認める国連憲章第7章を持ち出すことにこれまでずっと賛成していない。

 王毅氏は次のように述べた。中国は国連安保理常任理事国、責任ある大国として、常に自らの国際的義務履行に忠実であり、世界の平和と安定を守るため建設的役割を果たしている。平和と安全の問題で中国は最も良い記録のある大国である。われわれはこれまでに他国を侵略したことはなく、代理戦争をしたことも、勢力圏を求めたことも、軍事ブロックの対決に加わったこともない。中国は平和的発展の道を堅持し、人類運命共同体の構築に尽力している。われわれは引き続き一切の覇権と強権に反対し、広範な発展途上国、特に中小国の正当かつ合法の権益を断固守る。(c)Xinhua News/AFPBB News