【2月26日 AFP】スピードスケート男子スウェーデン代表のニルス・ファンデルプール(Nils Van Der Poel)が、中国の人権侵害への抗議として、スウェーデン国籍を持つ香港の書店経営者、桂民海(Gui Minhai)氏に北京冬季五輪で獲得した金メダルを寄贈した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が25日、明らかにした。

 今五輪で2冠を達成したファンデルプールは、北京が五輪開催地に選ばれたことを厳しく批判してきた選手で、自身が男子1万メートルで手にした金メダルを、24日に桂氏の娘アンゲラ(Angela Gui)さんに渡した。桂氏は外国で違法に機密情報を提供したとして懲役10年の判決を受け、現在中国で服役している。

 ファンデルプールはアムネスティの発表文で、「自分はオリンピアンの声を代表しているわけではない」とした上で、「中国政府は現政権を正当化するための政治的武器として、われわれの夢を利用することを選んだ」と指摘。「中国での人権問題が改善され、桂民海氏が自由の身になることを願っている。難しいことだが、当然の要求でしかない」と述べた。 (c)AFP/Pia OHLIN