【2月27日 People’s Daily】国連食糧農業機関(FAO)がこのほど発表した「世界食料農業白書(SOFA) 2021年報告」によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は食料安全保障の不安と人々の栄養不良の問題を悪化させ、農業食料システムの衝撃と圧力に直面する脆弱(ぜいじゃく)性を際立たせているという。FAOは各国が農業協力を強化し、農業食料システムのモデルチェンジを促進し、農業食料システムの強靱(きょうじん)性、効率性、持続可能性および包容性を高め、世界の食料安全保障を共同で維持するよう呼びかけている。

「将来、われわれは世界中の人々に利益をもたらす全く新しいグローバル食料システムの構築のために努力しなければならない」。アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、食料システムは、経済回復の支援、貧困の解消、不平等の減少、ディーセント・ワークの促進、気候変動、環境汚染、生物多様性の喪失などの問題を解決するために、重要なけん引役を果たすことができ、また果たさなければならないと指摘した。

 世界最大の発展途上国として、中国は自国の農業の発展を加速させると同時に、農業の国際協力を持続的に推進し、できる範囲でより多くの国の農業技術レベルの向上を支援している。これまでのところ、中国はアフリカ、アジア、南太平洋、カリブ海など70余りの国・地域に2000人余りの農業専門家と技術者を派遣し、10万人近くの外国農家を指導した。中国では500回近くの講習会を開催し、外国の専門家、プロフェッショナル1万1000人にトレーニングを行った。作物生産、牧畜業、水産養殖、農業水利、農産加工などの分野で、必要な国に1500件余りの技術普及とモデルプロジェクトを実施し、プロジェクト地区の平均40~70%の増産をけん引し、150万世代を超える農村世帯がその恩恵を受けた。

 2021年11月25日、中国と世界食糧計画(WFP)が支援する南南協力および三角協力スリランカ農業技術研修プロジェクトが中国で始動した。160人余りのスリランカ農業省の政府関係者、農業研究機関の技術者および農場主の代表が研修に参加した。WFPの関係責任者のマハ・エハマド(Maha Ahmed)氏は、プロジェクトはスリランカで稲とトウモロコシを栽培する小規模農家を対象に、農業生産力の向上を支援し、これらの経験と知識の交流はスリランカの持続可能な食料生産システムの確立、「飢餓をゼロに」の目標の実現などに積極的な役割を発揮するだろうと述べた。

 中国はまた、国際社会の政策協調の強化、グローバルレベルから穀物栽培農家の管理能力の向上、各国のフードロス削減、輸送、検疫、輸出入貿易などの方面での合理的な国際ルールの形成を推進している。2021年9月、中国は国際フードロス削減大会(ICF)を開催し、50余りの国、国際機関、企業、非政府組織の代表300人以上が「フードロスを削減し、世界の食料安全保障を促進」をテーマとし、深く交流し、行動、メカニズム、プラットフォーム、生産など10方面のロス削減コンセンサスという成果を収めた。

 国際農業開発基金(IFAD)のマッテオ・マルチシオ(Matteo Marchisio)駐中国代表は、中国は農業の国際協力を推進し、地域情勢に応じて農業発展の経験をシェアし、世界の食料安全保障の維持に貢献したと語った。(c)People’s Daily/AFPBB News