【3月6日 AFP】インドネシア出身のテル・リヤント(Tel Liyanto)さん(27)は、日本の音楽シーンで「シティーポップ」が全盛期を迎えた1970~80年代には生まれていなかったが、「今なお色あせない」ヒット曲の数々に夢中だ。

「ディスコミュージックに似てますね。懐かしいサウンドなのに古くないのです」。広告制作会社で働くリヤントさんは、都内のバーでシティーポップに合わせて踊りながら語った。

 日本の好況期に流行したシティーポップが世界中の若い音楽ファンに支持され、今リバイバルブームが起きている。ユーチューブ(YouTube)では、竹内まりや(Mariya Takeuchi)の「Plastic Love」など当時のヒット曲が数千万回再生されている。

 DJ NOTOYAこと能登谷慧(Kei Notoya)さん(33)は、大学のパーティーで初めて聴いたシティーポップに魅了された。以来、約3000枚のレコードを収集してきた。当時の日本の音楽には、アメリカのロックやソウル、R&Bの要素を色濃く反映した曲が多いと指摘する。「斬新だけど、どこか懐かしい感じもします」

「生まれていなかった人でも、こうした曲を聴けば80年代や70年代のエネルギーや雰囲気を感じることができます」と話す。

 ブームに乗って、日本のレコード各社は長年忘れ去られていたシティーポップのレコードを競うように再販。ストリーミングサービス配信にも力を入れている。

 能登谷さんは、中古レコード店に行くと「毎週新しいものが見つかります」と話す。昨年12月には、自らキュレーションしたシティーポップのコンピレーション・アルバム「Tokyo Glow」をリリースした。