【2月23日 AFP】昨年の米ブリーダーズカップ(Breeders' Cup 2021)、ディスタフ(ダート1800メートル)をマルシュロレーヌ(Marche Lorraine)で制すなどした英競馬のトップ騎手オイシン・マーフィー(Oisin Murphy)騎手が、新型コロナウイルス対策規定への違反と、レース前検査での基準値を超えるアルコール検出により、14か月の騎乗停止処分を科された。

 マーフィー騎手は、22日に行われた英国競馬統括機構(BHA)の独立懲罰委員会による審理で違反を認めた。処分は昨年12月8日にさかのぼって適用され、2023年2月16日まで騎手免許の再申請を行えない。マーフィー騎手は違反の疑いが浮上した同時期に、医療サポートを受けるため免許を自主返納している。

 マーフィー騎手は昨年9月9日から12日にかけて、当時英国が渡航制限のある「レッドリスト国」に指定していたギリシャのミコノス(Mykonos)島へバカンスに出かけていたが、イタリアのコモ湖(Lake Como)へ行っていたように装い、BHAの関係者をだまそうとした。

 また昨年5月5日と10月8日の出走前の呼気検査でも、基準値を超えるアルコールが検出された。

 マーフィー騎手が処分を科されるのはこれが初めてではなく、2020年11月には、7月のフランスのレースでの検査でコカインが検出されたため、同国の統括団体から3か月の騎乗停止を命じられた。

 マーフィー騎手は薬物を摂取していないと主張し、レース前夜に女性と性行為に及んだと証言。この女性が時折コカインを使用していたことが判明したため、調査官も同騎手の主張を受け入れた。(c)AFP