【2月22日 AFP】ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は22日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を承認したことを受け、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2(Nord Stream 2)」計画を停止すると表明した。

 ショルツ首相は、パイプラインの監督当局に対して審査の停止を命令したと明らかにした。西側の同盟諸国やウクライナは、ノルドストリーム2はロシアとの重要な交渉材料になるとみている。

 ショルツ氏は記者会見で「手続きが進めば導入できる他の制裁措置も存在する」と説明。また、欧州連合(EU)もロシアに対する「強力かつ大規模な」制裁措置で合意するだろうとの見方を示した。

 ノルドストリーム2問題は、ドイツのロシアへのエネルギー依存度を高めることでロシアの影響力が強まる可能性があると懸念する同盟諸国との対立要因になっている。パイプラインは完成したものの、ドイツの監督当局は稼働を承認していない。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は22日、ノルドストリーム2計画の停止を改めて要求。同大統領は先週、キエフを訪問したショルツ首相に対し、ロシアは同パイプラインを「地政学的な武器」として使っていると指摘していた。(c)AFP