【2月22日 Xinhua News】米コーヒーチェーン大手スターバックスの中国法人はこのほど、中国市場で一部コーヒーの単価を1~2元(1元=約18円)値上げした。中国のコーヒーチェーンの瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)やカナダのドーナツチェーンのティムホートンズもこのほど一部商品の価格を引き上げた。業界関係者はコーヒーの値上げについて、原料価格の上昇や運営費の増加が原因だと見ている。

 スターバックス中国は16日に複数のドリンクメニューの価格を引き上げた。同社は値上げを認めた上で、運営費などさまざまな要因を総合的に勘案した上で決定したと説明した。

 瑞幸珈琲も値上げに踏み切った。同社はこれについて、本部の決定に従い、昨年12月に数百店舗でデリバリーとテイクアウト用商品の単価を3元前後引き上げしたとし、賃料や人件費、原材料費などのコストを考えた結果だと明かした。

 2019年2月に中国市場進出を果たしたティムホートンズも価格改定を行った。同社のカスタマーサービスは確かにごく一部の商品で価格を調整したとし、現在の運営状況を総合的に考慮した上で決定したと説明した。

 コーヒーの原料であるコーヒー豆の価格はこの1年で大幅に上昇した。主な生産国のブラジルが干ばつに見舞われ、ベトナムでも生産量が落ち込んだ。サプライチェーン(供給網)の停滞や輸送費の高騰も重なり、アラビカ種のコーヒー豆の価格は21年に前年の2倍以上に高騰した。

 販売業者によると、例年はコーヒー豆を主に欧州や南米、アフリカ、東南アジアなどから、牛乳やミルクパウダー、乳清タンパク質などを主にオーストラリア、米国、ニュージーランドなどから輸入していた。ところが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響で、上記の輸入先国では食品や農産物の生産量が激しく変動した。それが輸出量の減少を招き、中国国内の原材料調達価格が全般的に上昇した。

 原材料費のほか、人件費の上昇も大きな要因となっている。スターバックス中国は人材を引き留めるため、昨年10月にフルタイムで働く店舗スタッフ全員にあたる約4万人を対象に、1年で14カ月分の賃金を支払うと宣言したほか、既存の福利厚生をグレードアップした。

 また、新型コロナの影響を受け、多くの店舗で人員や不動産などに関するコストが膨らみ、新型コロナ対策に投じられる資金も大きく増え、店舗運営費は持続的に増加している。(c)Xinhua News/AFPBB News