【2月21日 AFP】エジプト検察当局は、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)が行ったとされる奇跡に疑問を呈したジャーナリストに対する捜査を開始した。

 イスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」に対する痛烈な批判で知られるジャーナリストのイブラヒム・イーサ(Ibrahim Issa)氏は18日、民放テレビの番組で、預言者ムハンマドが聖地メッカ(Mecca)からエルサレム(Jerusalem)まで神秘的な夜の旅をし、昇天したとされる「イスラー(Israa)」と「ミーラージュ(Miraj)」について、「完全な妄想の物語」だと主張した。

 これを受け、エジプトのイスラム教最高権威機関「ダール・アル・イフタ(Dar al-Ifta)」は19日、イスラーとミーラージュは「間違いなく起きたことであり、いかなる形でも否定できない」とする見解を発表。検察は同日、イーサ氏に対する捜査を行うよう命じた。

 エジプト・メディア規制最高評議会(SCMR)も、「規約違反があった場合に法的措置を取る」ため報告書を作成する方針を示した。

 イーサ氏は、2011年の「アラブの春」で辞任に追い込まれたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領の30年に及ぶ統治時代から歯に衣(きぬ)着せぬ批判で知られる。今回の発言をめぐり、ソーシャルメディア上では賛否両論が飛び交っている。(c)AFP