【2月25日 People’s Daily】2月4日、2022年北京冬季五輪が盛大に開幕し、中国・北京という「ダブル・オリンピック・シティー」に再び全世界の注目が集まった。

 明かりがきらきらと輝く「鳥の巣」、絢爛(けんらん)多彩な花火ショー、ロマンチックで美しい「雪花台(雪の結晶のような聖火台)」、独創的な点火式、大きな炎が「かすかな炎」に変わる聖火。今回の冬季五輪の開会式では、これらの細部が「グリーンオリンピック」の理念を明らかに示している。

 2月4日夜、「鳥の巣」で、「00後(2000年代生まれ)」の中国人ウインタースポーツ選手、ジニゲル・イラムジャン氏と趙嘉文(Zhao Jiawen)氏が共にトーチを高く持ち上げ、北京冬季五輪の聖火リレーの最終走者になった。彼らの後ろには91の参加選手団の団結を象徴する雪花台が輝いていた。

 観客が見守る中、2人の若い選手が手にした「飛揚(Flying)」トーチを雪花台にセットした。その後、雪花台はゆっくりと回転しながら上昇し、北京冬季五輪のメイン聖火になった。

 オリンピックの聖火には、「点火」の過程もなく、大きな炎もなかった。これはオリンピックのメイン聖火が初めて「かすかな炎」の形で世界の前に現れたことを意味し、オリンピック史上全く新しい一幕となった。

「われわれは全世界の参加選手団の名前を使って雪花台を構築した。最後の聖火はメイン聖火であり、100年のオリンピック史上でかつてない『かすかな炎』だ」。2022年北京冬季五輪開閉会式の張芸謀(Zhang Yimou)総監督は、赤々と燃えるオリンピックの聖火を、雪の花のように神聖で清らかで、生き生きとした小さな炎に変えた。このアイデアは低炭素環境保護の理念から生まれたもので、オリンピックの歴史において一つの名場面になるだろうと語った。

 特筆すべきは、過去のオリンピックで液化天然ガスやプロパンなどのガスが聖火の燃料として使用されたのに対し、今回のオリンピックでは初めて水素エネルギーを使用し、オリンピック精神と「グリーン」「エコ」のさらなる結合を実現したことだ。水素エネルギーは環境にやさしい燃料で、燃焼時に水だけが発生し、二酸化炭素は発生しない。完全なゼロ排出を実現することができ、北京冬季五輪のグリーン、低炭素、サステナビリティの原則を体現している。

「今回の冬季五輪開会式の花火ショーはシンプルの理念の下、3回だけ、総時間は3分しかなかった。さらに精進を重ねた」。2022年北京冬季五輪開閉会式視覚芸術の蔡国強(Cai Guoqiang)総設計師は、今回は雰囲気づくりの花火をほとんど使わず、冬季五輪のために「雪花」「氷花」などさまざまな形の花火の品種を開発し、空中の「北国の風景」を演出すると説明した。

 蔡氏によると、今回使用される特効花火は主に湖南省(Hunan)、河北省(Hebei)などの地域で生産され、いずれもハイテクで環境にやさしい微煙型花火で、エコ、安全に努めている。打ち上げ薬の成分を改良した結果、無毒、微煙に、打ち上げ時の環境への影響を大幅に減らすことができた。

「簡素の角度から、エコやグリーンという理念を体現しようと思うが、花火をすると、たとえ新技術、無害、環境にやさしい花火であっても、やはり燃えるから、できるだけ量を減らし、満天を花火で埋め尽くす必要もない。『一をもって十に当たる』、『一葉落ちて天下の秋を知る』、これは中国人の文化への自信を示した」と、張監督は語った。(c)People’s Daily/AFPBB News