【2月21日 AFP】(更新)スイスの銀行大手クレディ・スイス(Credit Suisse)に、数十年間にわたり数十億ドルの不正資金が預け入れられていたことが、膨大な内部告発情報に基づく調査報道で20日、明らかになった。

 クレディ・スイスは同日、指摘された問題の多くは過去のもので1940年代のデータも含まれているとして、報道内容は「疑惑と当てこすり」だと否定した。

 調査は、仏紙ルモンド(Le Monde)や英紙ガーディアン(Guardian)など世界各地の48報道機関が加わる「組織犯罪・汚職報道プロジェクト(OCCRP)」が行った。

 ルモンドによると、クレディ・スイスは国際的な銀行規定に違反し、数十年間にわたって犯罪や汚職に関連した不正資金を預かっていたという。

 内部告発により流出したデータは1万8000超の口座情報などで、その預金総額は最も多かった時で1000億ドル(約11兆5000億円)相当に上るとされる。OCCRPによれば、口座の多くは「2010年代に入っても開設されたままだった」という。

 OCCRPは、このうち問題のある口座に保有されていた資産は合わせて80億ドル(約9000億円)を超えるとしている。

 口座名義人には、拷問に関与したとされるイエメン情報機関幹部や、アゼルバイジャン指導者の息子たち、セルビアの麻薬密売組織の首領、オイルマネー横領疑惑のあるベネズエラ閣僚らが名を連ねていたという。(c)AFP/Erwan LUCAS