【2月23日 People’s Daily】北京冬季五輪では、ショートトラック・スピードスケートとフィギュアスケートがともに北京の首都体育館で行われた。北京冬季オリンピック組織委員会(BOCOG)に招致されたフランスの製氷専門家、レミー・べーラー(Remy Boehler)さんは、「スピード」と「美しさ」を兼ね備えたアイスリンクを中国の仲間とともに作りあげ、世界のアスリートに夢の舞台を用意した。

 べーラーさんが冬季五輪に関わったのは、1992年のフランス・アルベールビル大会にさかのぼる。当時まだ16歳だったが、リンクの清掃車を運転した。それから多くの冬季五輪や世界選手権などで活動し、経験を積んできた。

 2018年平昌大会ではショートトラック・スピードスケートとフィギュアスケートの製氷に従事。その後、北京冬季五輪組織委員会の招きで首都体育館の製氷作業を引き受け、4年にわたり中国チームと協力してきた。

「ショートトラック・スピードスケートは硬い氷が求められ、フィギュアは柔らかめの氷が好まれる。2つの条件を満たすことが最大のチャレンジでした」とべーラーさん。1日に何度も氷の温度を調整し、保護マットを取り換え、氷の状態を調整した。特に空気、水、冷却システムの調整を担当する中国人スタッフとは密接に連携した。

 1968年に完成した首都体育館は、新中国建国後に最初に建設された近代的スポーツ施設。ここに中国初のアイスリンクが誕生したことに、べーラーさんは「少しずつ変化していく過程を見届けられるのは、本当にすばらしい」と感銘を受ける。

 べーラーさんは首都体育館の整氷作業について「同僚たちはみんなアイススポーツが好きで、情熱を注いでいた。全員が同じ方向を向いていたので、問題が起きても解決に取り組めた。非常にエキサイティングだった」と振り返る。

 北京冬季五輪が開幕した2月4日には首都体育館でフィギュアスケートの競技が行われ、5日にはショートトラック・スピードスケート混合2000メートルリレーで中国チームが金メダルを獲得。首都体育館第1号の金メダルとなった。「首都体育館の氷上で行われているすばらしいゲームを世界が見つめている。これは疑いのないことです」。べーラーさんは満足げに語った。(c)People’s Daily/AFPBB News