【2月20日 AFP】北京冬季五輪フィギュアスケートで男子シングルに出場した羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が20日、五輪最後の勇姿になるかもしれないエキシビションで、幽玄な滑りを披露した。

 北京・首都体育館(Capital Indoor Stadium)内の観客は羽生の演技に熱狂。その外ではスーパースターをひと目見ようと「くまのプーさん(Winnie the Pooh)」のぬいぐるみを手にしたファンが長蛇の列をつくった。今大会は失意の4位に終わったものの、2度金メダルを獲得した羽生は世界中のファンの熱狂的な支持を受けている。

 異世界のような白いシャツをまとった羽生の優雅なパフォーマンスは、3度五輪を彩った才能を思い起こさせるものだった。

 男子シングルの後に「(五輪で)また滑ってみたいなという気持ちはもちろんある」と話した羽生だが、27歳の同選手にとって今大会が最後の五輪となる可能性もある。

 エキシビションの最後に選手はリンクで大きな円陣を組んだが、羽生以上に楽しんでいるスケーターは見受けられなかった。

 大人気の五輪公式マスコット「氷ドゥンドゥン(Bing Dwen Dwen、ビンドゥンドゥン)」と一緒に滑ってハグを交わした羽生は、中国の柳鑫宇(Liu Xinyu)に抱きかかえられて回転すると、観客からは歓声が上がった。

「氷上のプリンス」と呼ばれる羽生は、最後までリンクに残り、熱烈な拍手に何度もお辞儀を繰り返し応えた。(c)AFP/Rebecca BAILEY