【2月18日 AFP】(更新)国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は18日、北京冬季五輪フィギュアスケート女子シングルでのカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア五輪委員会<ROC>)の演技を見て、「非常に心配になった」と明かし、同選手に対するコーチ陣の扱いには「ぞっとした」と話した。

 ドーピング問題に揺れる15歳のワリエワは、17日に行われたフリースケーティング(FS)でもその影響がうかがえた。演技中は何度も転倒があり、結果は4位でメダルを逃した。

 会見を開いたバッハ会長は「テレビで見ていて非常に心配になった」と明かし、コーチ陣の演技後のワリエワに対する扱いは「ものすごく冷ややか」だったと話した。

 演技を終えて見るからに動揺していたワリエワに対し、厳しい指導で知られるコーチのエテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Tutberidze)氏は、「なぜあきらめたの?」などと繰り返し問い詰めていた。

 これについてバッハ会長は、「最も近くにいる周囲の人々が、彼女をものすごく冷ややかに受け止めている様子は、見ていてぞっとした」とコメント。また、銀メダルのアレクサンドラ・トゥルソワ(Alexandra Trusova)が演技後に怒りをあらわにした様子を目にし、自身がROCの若手に抱いた懸念が正しかったと実感したという。

「本当にあれほど冷淡になれるものだろうかと考えた。だが、アレクサンドラ・トゥルソワ選手に対する扱いを目撃したり、きょう記事で読んだりした上で、昨夜の私の印象は間違っていなかったようだ」

「こうしたあらゆる出来事によって、私はカミラの最も近くにいる関係者をあまり信頼できなくなっている」 (c)AFP