【2月18日 Xinhua News】国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長がこのほど、新華社の単独インタビューに応じた。デュビ氏はインタビューの冒頭、朝の調整会議が取りやめになったと明かした。

 デュビ氏は「北京冬季五輪の開幕から数日後、IOCのバッハ会長は、それまで毎朝開いていた競技に関する重要な調整会議を取りやめた。これは歴代五輪でも非常にまれなことだ」と語った。

 バッハ氏が北京でこれほど安心する理由について、デュビ氏は、競技の準備にはまだ細部の調整が必要ではあるものの、全体的に見て、開幕以来の運営が非常にスムーズだったと指摘。「競技の組織体制、細部の調整、関係者の職責など、システム全体が非常にうまく機能している」と答えた。

 北京が冬季五輪招致に動いていた2015年、デュビ氏はIOCの評価委員会と共に中国に視察に訪れている。デュビ氏は当時、冬季五輪の開催を予定する三つの会場のうち、北京競技エリアは08年の五輪会場の大部分を使い、張家口競技エリアも既存の競技場を利用し、会場を新たに建設するのは延慶競技エリアだけと聞いたときには、信じ難い計画だと思ったと振り返った。

 また「今大会のために開発された二酸化炭素(CO2)冷媒は、これまでのどの冷媒よりも優れている。延慶競技エリアの山の上に立ったとき、中国の(環境配慮型の)努力が未来のため、多くの伝統的なウインタースポーツ国のために新たな基準を樹立したことが分かった」と語った。

 冬季五輪は競技日程の半分を終えたが、デュビ氏は、どの選手からも否定的な評価は出ておらず、いずれの選手も会場や大会運営、宿泊施設、食事などを称賛していることに特に言及した。

 このほか、印象深いこととして2点を挙げた。1点目は、中国の人々の親切でもてなし上手な点。ボランティアやスタッフなど誰もが最大限の努力で競技に貢献し、報道機関も全力で冬季五輪を取材している。

 2点目は、素晴らしい冬季五輪を開くという中国の決意。デュビ氏は「五輪の開催は毎回非常に複雑だが、今回は新型コロナウイルス感染症の流行も重なった。決意と能力を兼ね備えた人が準備作業に関わらなければ、このような成果を上げることはできなかっただろう」と語った。

 デュビ氏は、新型コロナの感染拡大が、ただでさえ複雑な五輪の準備作業をより複雑にしたと指摘。「感染の予防・抑制という背景の下、北京冬季五輪は、バブル管理を実施して外部との接触を完全に遮断した。バブル内では、一連の厳しい措置が取られているが、全ては競技を安全に行うためだ」と述べた。

 海外メディアから、バブル内では北京の人々の実際の生活を体験できないとの声が上がった点については「今大会はコロナ流行下での開催。まずは安全を第一に考えるべきだ。だが、バブル内でも地元の人々やボランティア、運営スタッフ、技術関係者などと交流することはできる」との考えを示した。

 デュビ氏は、中国選手の北京冬季五輪での活躍に伴い、ウインタースポーツを始める中国の若者がさらに増えると期待を寄せた。

 このほか、中国では冬季五輪の準備を通じて、多くの冬季スポーツ競技運営の専門家が育成されたと指摘。「中国の大規模な関与は、世界の氷雪市場にさらなるチャンスをもたらすだろう。バッハ会長も指摘しているように、ウインタースポーツの時代は北京冬季五輪の前と後に分けられる。3億人がウインタースポーツに参加することで、ウインタースポーツの新時代を開くことになるからだ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News