【2月17日 AFP】米国のジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官はAFPとのインタビューで、ロシアがウクライナに侵攻した場合に西側が対ロシア制裁を共同で導入すれば、「世界的な打撃」を伴うだろうとの認識を示した。

 イエレン氏は、対ロシア制裁について「ロシアに最大の打撃が及ぶことを期待するのは当然だ」としながら、「世界もある程度の打撃を被るとみている」と語った。

 財務省としては、欧州諸国と共に一連の金融制裁を策定中であり、ロシアの「個人・企業」を標的としたもので、「禁輸も盛り込まれる可能性がある」と説明。「大規模かつ包括的な制裁となり、ロシア経済に深刻な影響をもたらすだろう」と述べた。

 ただし、「世界市場向けの原油、欧州向けの天然ガスの供給国としてのロシアの重要な役割を考えれば、エネルギー市場に影響を及ぼす可能性はある」と認めた。

 その上で、米国としては、他の地域から欧州への原油・天然ガスの供給を確保することによって「過度の影響が及ばないよう欧州の同盟国と共に取り組んでいる」と強調した。

 イエレン氏は、1月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.5%上昇し、1982年2月以来の上昇幅を記録したことについて「受け入れられるものではない」と表明。ただ、米国は新型コロナウイルス感染の影響を抑制できており、国内経済は基本的に健全だとの認識を示した。

 イエレン氏は17、18の両日、インドネシア・ジャカルタで開かれる20か国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議にオンライン参加する。イエレン氏は、議題の一つになるとみられる開発途上国の債務問題に関し、中国は新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)下で借り入れを増やした途上国に対する救済策への関与を加速させるべきだと訴えた。(c)AFP/ Heather SCOTT and Julie CHABANAS