【2月18日 People’s Daily】「4万キロのキウイが完売しました!スマートチェーンを利用すれば、注文から3~5時間ほどで発送できます」収穫期を迎え、中国陝西省(Shaanxi)周至県(Zhouzhi)の果樹農家は目の回るような忙しさだ。しかし果樹農の佑長江(You Changjiang)さんによると、今年は人工知能を利用したスマート供給チェーンの活用で余裕があるという。

「栽培を始めたばかりの頃は販路もなかったし、人に頼んで山東(Shandong)や上海など相場が良い所へ売りに行ってもらうしかなく、損をすることも少なくありませんでした」。後にEコマースが興隆した時に佑さんも参画したが、売れ行きの停滞問題は解決しなかった。

 佑さんは珍しい例ではない。この地域では青果の売れ行きは停滞しがちであり、農産物の付加価値も高くないという問題があった。一方で規格化が進んでおらず、果物の輸送の時に等級を分けず、大きさや出来が不揃いな果実が一緒に売られていた。また、コールドチェーンの手配ができず、販売時期は短く、品質的な強みがあっても売り上げが伸び悩んでいた。

 キウイ販売の課題に対し、近年陝西省では農業をアップグレードさせる試みを模索していた。

 今年の9月、佑長江さんの家から20キロメートルの武功県(Wugong)は、京東(JD.com)と提携し、果物の購入・冷蔵・加工・分別・包装・物流配送などを一体化させたスマート供給チェーンセンターを構築した。

 同センターは3万6000平方メートルの面積を占め、冷蔵庫やスマート分類システムなどを備える。果樹園で収穫されたキウイは自動的に等級ごとに分別され、コールドチェーンを用いて一定温度で保存され、消費者から注文があればすぐ発送し、全国に輸送する。1日あたりの処理能力は16万件に達した。

「スマートチェーン」センターでは、箱に詰められたキウイが冷蔵庫から取り出され、現代化された自動分類設備では果実が洗われ、干され、赤外線撮影をされる。秒速で自動的に重量や大小、外側や内側に傷があるかなどが測られ、等級ごとに輸出コンテナに送られる。

 羅向鋒(Luo Xiangfeng)さんは陝西省の果実取り次ぎ販売企業の責任者である。彼によると、スマート供給チェーンセンターができてから、京東などのプラットフォームがオンライン販売をするので、取り次ぎ販売企業は果樹農家の対応をすれば良くなったという。「以前はキウイの損耗率が高く、15%にものぼりました。スマートチェーンに委託をするようになってから、その日に包装や蔵出しをすればよくなり、農産物の損耗率は7.3%にまで下がり、販売コストも大幅に下がりました」。スマートチェーンの力を借りて、周至県のキウイを一手に引き受け、同時に販売に力を入れた結果、1年の発送件数は2000万件に達し、同期比46.9%伸びる見込みである。(c)People’s Daily/AFPBB News